現代において様々な文章に句読点が用いられますが、表彰文には句読点がないのが一般的です。お手元の表彰状や卒業証書などに句読点は無いと思います。
なぜ句読点をつけないの?
日本の古来の文章(平安時代など)には句読点がありません。句読点が用いられるようになったのは江戸時代以降で、それまでの文章は漢文が主体で句読点がありませんでした。いわゆる上流階級の方々は句読点が無くても問題なく読めましたが、その文体は今までちゃんとした読み書きを学んだことのない町民や子供達には難しく、文の終わりや区切りを理解しやすくするために句読点が用いられ始めました。そのように元々「学の無い人たち」向けに用いられてきた背景があるので、現代でもその意味から本来敬い、立てるべき受賞者に対して「失礼にあたる」という理由で表彰文や感謝状には句読点が使われないのが一般的になっています(くだけて言いますと「あなたは句読点が無いと理解できないだろうから句読点を入れてあげたよ」ということです)。
現在の使用
弊社でもお客様から句読点入りの文章をいただいた場合、理由をご説明し、基本句読点は除いてレイアウトを製作します。ただ、現在では表彰に使用する製品も昔と違い紙の賞状だけでなくクリスタルや金属、アクリルなど様々な素材や形状のものが使用されており、また、表彰や感謝を伝えることも身近になり贈呈が団体、企業からだけではなく「有志での個人的な表彰」だったり「家族が父親の退職を祝ったり」と形態も変わってきています。その場合「お父さん!40年間家族のためにありがとう!!」や「○○男&○○子~」とか句読点だけではなく感嘆符や記号をご希望されるお客様もいらっしゃいます。句読点を入れない理由も上記のように慣習によるもので、厳格な決まり事や法に抵触するようなことではありませんので、個人的には相手を敬い、感謝の気持ちがこもっていれば時と場合によりますが文体は自由で良いのではないかと思っています(そもそも英文やハングルの場合の . や , はどうするの?という話になってきますし)。